4 術後の管理
 術後管理で大きな位置を占めるのが,運動規制を含めた生活管理である.特に学童や生徒は体育の時間に運動をするため,学校生活管理指導表の区分を適切に指示することは,非常に重要である.肺動脈弁閉鎖不全があっても,自覚症状を認めず,右室流出路狭窄,著明な右室拡大,右室駆出率の低下,危険な不整脈がなければ,厳しい練習がある運動クラブ活動以外の体育の授業はすべて認める方向で検討する(レベルC).右室の拡大が著明であるか右室機能の低下がみられる場合,上室頻拍や心室頻拍など問題となる不整脈の有無を勘案して(「総論4 不整脈」の項を参照のこと),運動制限のレベルを決定する(クラスⅡa,レベルC).

 医療機関への受診は,病状や治療の有無によって頻度が異なってくるのは当然であるが,自覚症状がなく病状が落ち着いている場合であっても,1,2 年に一度程度の受診による経過観察を検討すべきである(レベルC).
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)