1 はじめに
肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損(PA/VSD)は,極型ファロー四徴とも呼ばれて先天性心疾患剖検例の2.6%を占め
659)
,ファロー四徴の約16%と報告される.心室中隔欠損に肺動脈閉鎖を合併して大動脈が心室中隔に騎乗している疾患であり,約20~ 40%に主要体肺側副血行動脈(MAPCA) を認める.この疾患の約30%は染色体の22q11部分欠失を合併している
660)
.肺動脈狭窄を合併した両大血管右室起始(DORV)は,両大血管位置関係や心室中隔欠損の位置に関わらず肺動脈血流が減少してチアノーゼを認め,血行動態的にはファロー四徴に類似する.肺動脈狭窄を合併した完全大血管転位(TGA)は,我が国の剖検例においてその19%を占め,多くが心室中隔欠損を有する
661)
.
これらの疾患群に対する共通した手術手技は右室流出路再建であるが,これを行う際に心外導管を要することが多い.
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Ⅱ 各論
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9 心外導管を用いた手術
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)