6 経過観察の際の検査方法
 心電図検査では,房室ブロックの進行に注意を要する.DS術後の動脈スイッチ術後例は虚血の評価が必要である.

 胸部X線にて,右室拡大,肺うっ血に注意する.

 心エコー法は,右室機能低下,三尖弁閉鎖不全,左室圧,肺動脈圧を観察できるが,定量的評価は難しい520).DS術後の動脈スイッチ術後例は左室機能,心外導管術後例は,右室機能評価が重要である.

 MRI は,体心室右室の心室機能評価に優れるが,ペースメーカ装着例では行えない521).しかし,DS術の血流評価に有用である.CTは右室機能評価,左室肺動脈導管狭窄,石灰化,冠動脈の評価に有用である.

 心臓カテーテル検査は,心室機能,房室弁逆流,肺動脈狭窄, 冠動脈狭窄の評価に有用である.

 体心室右室の冠動脈分布は右冠動脈の分布となるため522),523),核医学検査では心筋虚血,自律神経機能評価を行う.
次へ
Ⅱ 各論 > 4 修正大血管転位 > 6 経過観察の際の検査方法
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)