1.生理的修復術後
 右心室機能(体循環心室機能不全)
 体循環心室房室弁(三尖弁)閉鎖不全
 肺循環房室弁(僧帽弁)閉鎖不全
 進行性の房室ブロック
 上室頻拍(心房粗動,細動),心室頻拍
 導管狭窄
 置換弁機能不全
2.DS術後
 a.心外導管術後
 導管狭窄
 右室機能(肺循環心室機能不全)
 上大静脈下大静脈狭窄
 肺静脈狭窄
 洞機能不全
 上室頻拍
 b.動脈スイッチ術後
 冠動脈狭窄,閉鎖
 大動脈弁閉鎖不全
 上大静脈下大静脈狭窄
 肺静脈狭窄
 洞機能不全
 上室頻拍
次へ
5 術後遠隔期の管理
(表12)
 生理的修復術後では,右室機能低下,三尖弁閉鎖不全,房室ブロックの進展に注意する.三尖弁閉鎖不全や右室機能不全の治療と進行予防のために,ACE阻害薬,ベータ遮断薬を用いることがある.しかし,大規模研究で,肯定的結果は得られていない86),517)-519).機械弁置換術後は,ワルファリンを継続投与する.持続性あるいは抗不整脈薬投与中の上室頻拍は,抗凝固療法の併用を検討してもよい(クラスⅡb,レベルC).

 感染性心内膜炎予防は推奨される.妊娠出産については,「総論9 妊娠・出産」の項を参照のこと.
表12 修復術後経過観察の注意点
Ⅱ 各論 > 4 修正大血管転位 > 5 術後遠隔期の管理(表12)
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)