1 はじめに
完全大血管転位(TGA)に対する修復術は,1980年代から心房スイッチ術に代わり動脈スイッチ術(arterial switch operation:ASO)が標準術式となっている.ASO
の手術成績は新生児期の積極的な手術介入により近年飛躍的に向上し,最近の早期死亡率は1.8~ 15%と報告されている
423)-432)
.早期死亡原因としては,移植冠動脈の狭窄による心筋虚血の報告が多い.ASO術後の長期生存率は10~ 15年で86~ 94%と比較的良好であるが,遠隔死亡の多くは術後早期1年以内にみられる.死亡原因としては冠動脈狭窄に伴う心筋梗塞,左心機能不全,術後肺高血圧などである.術後遠隔期の合併症としては,大動脈弁閉鎖不全,右室流出路狭窄,冠動脈狭窄,術後不整脈などが報告されている
423)-436)
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)