3 侵襲的治療
①僧帽弁狭窄
初回の外科治療については,弁形成術,弁置換術がある.
僧帽弁形成術は,僧帽弁疾患の全侵襲的治療の31%,外科治療の75%であったが
905)
,近年では形成術が可能な限り選択されるようになっている
898),906)
.術式は,弁上部狭窄に対しては弁上輪切除,弁性では交連部切開や弁輪形成術,弁下組織では乳頭筋分離,腱索修復などがある.合併心疾患のないMSであれば形成術の予後は良好で,15年生存率が93%である
905)
.しかし,大動脈弁狭窄を合併する場合には形成術の成功率は低く
907)
,治療についての明確な基準はまだない.
弁置換術は0%から10%
898),905)
に施行されている.しかし,初回治療が弁置換術である場合の予後は不良である
905)
.
②僧帽弁閉鎖不全
MRに対する形成術は,裂隙の修復,弁輪形成,乳頭筋splitting,心膜による弁形成,人工腱索などがある.主要な合併心疾患のない僧帽弁閉鎖不全では,95%以上に形成術が施行されている
898),908)
.弁置換術の初回実施率は5%以下である.
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)