3 修復手術
胎児期ないし乳児期に発症する重症例では,体肺短絡術などの姑息術が必要となることも多く,最終的に右室機能が期待できない場合は,Fontan術や両方向性Glenn術が施行される.小児期以降に症状が出現するような軽症から中等度の症例では,三尖弁の病変が軽度で右室容積も保たれている場合が多く,以下の場合には右房化右室の縫縮と三尖弁輪形成術ないし三尖弁置換術を行われることが多い
880)-882)
.
1)有症状症例あるいは運動能低下例
2)チアノーゼ悪化症例(酸素飽和度90%以下)
3)奇異性塞栓の既往
4)胸部X線にて確認される進行性心拡大
5)進行性の右室拡大あるいは右室収縮能低下
特に,前尖が十分に大きい場合は,前尖を用いた弁形成手術が行われ良好な成績を得ている
880)
.三尖弁置換術の遠隔期予後は,満足すべきものではない
881)
.最近は,三尖を使用するcone術も行われるようになっている
883)
.また重症例において,三尖弁形成術と両方向性Glenn術を組み合わせた手術も行われる
884)
.術前に心房粗細動を合併する症例では,不整脈手術も同時に行うことがあ
る
885)
.
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Ⅱ 各論
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)