1 はじめに
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 先天性心疾患(CHD)の領域では,小児における日常管理,指導の中での運動に関連する活動の占める割合は成人の心疾患に比べ多く,運動管理は学校生活において重要である.いっぽう,成人の心疾患患者と同様に小児CHD患者の運動を含めたリハビリテーションの概念は半世紀も以前から注目されている229),230).最近では,運動は成長期の小児での呼吸,循環器系の発育,発達に加えて,成人では脂質,糖代謝を含めた代謝系231),232),免疫系,さらには,精神発達の面からも233),その有用性は立証されている.さらに,最近の知見から成人慢性心不全患者では運動はその治療法の一つとして確立しつつあり234),しかも,将来の心事故を予防するとされている.しかし,小児,若年期を含め235),236),運動関連の心事故も多いことを考慮すれば237),238),様々な観点からCHD患者と運動との関連を十分に理解し,日常診療に役立てる必要がある.
Ⅰ 総論 > 8 運動と先天性心疾患 > 1 はじめに
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)