1.Fontan術後(中心静脈圧上昇,心室機能不全) 2. 三尖弁疾患術後(エプスタイン病,人工弁置換術後,閉鎖不全残存) 3.Rastelli型術後(導管狭窄,閉鎖不全) 4.ファロー四徴術後(肺動脈閉鎖不全),肺動脈狭窄 5.肺高血圧残存
1.手術による心筋保護と関連した機能障害 2.大動脈狭窄,大動脈縮窄残存に伴う左室圧負荷 3.大動脈弁閉鎖不全,僧帽弁閉鎖不全に伴う左室容量負荷 4.完全大血管転位心房内転換術後 ( Mustard,Senning術後,体心室機能不全) 5.修正大血管転位術後(体心室を右心室とした場合)
3 左心不全と右心不全
表1 左心不全の原因
表2 右心不全の原因
術後遠隔期の心不全には,心室機能障害による慢性心不全と心血管構築異常に由来する心不全/循環不全がある.病態の特徴から左心不全と右心不全に分ける.左心不全には,手術による心筋保護と関連した機能障害,大動脈狭窄,大動脈縮窄残存に伴う左室圧負荷,大動脈弁閉鎖不全,僧帽弁閉鎖不全に伴う左室容量負荷による心不全などが存在する(表1) .先天性心疾患では,右室機能が長期予後に重要な影響を及ぼす疾患が多い.右心不全の原因となる疾患を(表2) に示したが,今後,ファロー四徴や心外導管を用いた右室流出路再建術後における,肺動脈弁閉鎖不全による右室容量負荷に伴う右心不全対策が重要視されると考えられる.
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン (2012年改訂版) Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)