1 先天性心疾患修復術後の継続診療の必要性
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最近では,単純先天性心疾患だけではなく,チアノーゼ型先天性心疾患修復術後の患者の多くが,小児期を過ぎて成人を迎えるようになっている.近年,我が国の先天性心疾患の心臓手術は,9,000/年(手術死亡:3.6%)程度を推移している.すでに成人になっている先天性心疾患患者数は約410,000人を超え,今後も継続的に増加する
8),326)
.先天性心疾患手術は根治的ではない場合が多く,合併症,残遺症,続発症を伴い,経過観察,時に,継続治療を要する
327),328)
.さらに,加齢により,心機能悪化,心不全,不整脈,突然死などが生じることがあり,罹病率,生命予後に影響を及ぼし,定期的な経過観察を必要とする.また,中等症以上の先天性心疾患,特に,チアノーゼ型心疾患修復術後は,罹病率が高く,生命予後も悪いため,生涯にわたる専門的な経過観察が必要で,小児期は小児循環器科医が中心になり管理を行うが,成人後は成人先天性心疾患を中心として診療する医師,施設での経過観察,加療が望ましい(レベルC)
327)-331)
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Ⅰ 総論
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10 診療体制:経過観察
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)