2 解剖学的特徴
AVSDは,完全型,不完全型によらず房室中隔の欠損孔,房室弁の形成異常,心室中隔の流入部─心尖部間の短縮および心尖部─流出部間の延長,左室流出路の狭小化と冠状静脈洞,房室結節,His 束, 近位刺激伝導路の下方偏位を特徴とする.
AVSDは,前後の共通弁尖と左右の側方弁尖で構成する共通房室弁が存在し,この房室弁は心室中隔の頂上には付着しないため,房室中隔には心房(静脈洞型),心室( 流入部) の双方のレベルで欠損孔が生じる.Rastelliらは中隔上に位置する弁の腱索の付着部位によりA,B,Cの3つに分類している
529)
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不完全型AVSDでは,前後の共通弁尖がconnecting tongueで繋がって左右二つの房室弁に分かれ,またこの房室弁は心室中隔の頂上に付着するため心室間レベルでの短絡はない.房室弁には裂隙による逆流が生じる.
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)